キムアヤン
管理栄養士、農学修士
コンビニで手軽に手に入る食材は、筋トレやダイエットに向かないと思っていませんか?
タンパク質や糖質の量を知り、賢く選び、組み合わせれば、体によい食事がとれますよ!
筋トレ前のコンビニ飯は糖質がポイント
糖質は、筋トレを成功させるために大事な栄養素です。糖質を十分に摂らないで筋トレをすると効果が上がりにくく、今ある筋肉を分解してしまうリスクもあります。
(参照ブログ「筋トレと糖質制限の深い関係について」)
というわけで、筋トレの前に食べるべきコンビニ飯は、糖質が十分に摂れるものを選ぶのがおすすめ。
食べるタイミングは、トレーニングの直前だと胃腸などに悪影響が出るので、3時間前までに食べるようにしましょう。
選ぶならどっち? おにぎり vs サンドイッチ
おにぎり(1個) | サンドイッチ(1パック) | |
エネルギー | 237kcal | 297kcal |
タンパク質 | 4.9g | 13.2g |
脂質 | 7.4g | 20.7g |
炭水化物
(糖質+食物繊維) |
37.6g | 20.7g |
※おにぎりはツナマヨ、サンドイッチはハムサンド(数値はセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの平均値)
コンビニで糖質を摂ろうと思ったら、おにぎり、サンドイッチのどちらがベターでしょうか。
栄養価を比べると、おにぎりのほうが糖質が多く、サンドイッチは脂質、タンパク質が多いため、エネルギーも高めになります。
脂質とエネルギーを控えたいときは、おにぎりがおすすめです。なかでもおすすめは「もち麦入り」。食物繊維が豊富で血糖値の上がり方がゆっくりです(後述参照「●筋トレ前におすすめコンビニ飯」)。
減量中で糖質を控えている場合や、タンパク質不足を感じているときは、サンドイッチを選びましょう。
選ぶならどっち? ラーメン vs ざるそば
栄養価 | ラーメン | ざるそば |
エネルギー | 401kcal | 415kcal |
タンパク質 | 23.6g | 20.1g |
脂質 | 11.1g | 2.8g |
炭水化物
(糖質+食物繊維)
|
52.9g | 81.0g |
※ラーメンは「しょうゆらぁめん」、ざるそばは「信州産そば粉のざるそば」(数値はセブンイレブンHPより)
筋トレ前のランチに食べるなら、ラーメンとざるそば、どっちがベターでしょうか。
栄養価を比べると、エネルギーとタンパク質の差は大きくないのですが、糖質量が段違いです。
この差には注意が必要。ざるそばの糖質には、麺だけでなく麺つゆの甘味料が含まれていることが多いからです。甘味料は、種類にもよりますが血糖値を上げやすく、下がるのも早いので、持続的なエネルギー源になりにくいです。
脂質を控えているときは、ざるそばを選び、タンパク質フードをプラスしましょう(参照「●筋トレ前におすすめコンビニ飯」)。
また、コンビニのラーメンは商品により、とても高脂質なものがあるので、栄養表示をみて選びましょう。なるべくシンプルなラーメンがおすすめです。
筋トレ前・おすすめコンビニ飯
1.食物繊維が豊富なもの
もち麦、全粒粉、ライ麦などを使った商品を選びましょう。最近のコンビニはヘルシー志向のため、こんなおにぎり、パン、スナックなどが増えています。
※「もち麦おにぎり(セブンイレブン)
2.おにぎり、そばに“タンパク質フード”をプラス
おにぎり、ざるそばは、糖質は十分ですがタンパク質が不足するので、ゆで卵、焼き鳥(塩がおすすめ)、チーズなどをプラスするとよいでしょう。
そばは、鶏肉や豚しゃぶ入りのものを選ぶのもおすすめです。
筋トレ後のコンビニ飯はタンパク質を重視
筋トレ後の45~60分は、筋肉が作られるゴールデンタイム。このタイミングを逃さないよう、サッと食べられる高タンパク質フードを選びましょう。
また、一緒に糖質を摂ることも忘れずに。ゴールデンタイムに糖質が不足すると、筋肉中のタンパク質分解が進み、筋肉を増やすことができません。
選ぶならどっち? ハンバーグ vs 鶏もも肉の照焼 vs サラダチキン
ハンバーグ | 鶏もも肉の照焼 | サラダチキン | |
エネルギー | 281kcal | 147kcal | 114kcal |
タンパク質 | 17.0g | 16.2g | 24.1g |
脂質 | 17.3g | 7.0g | 1.3~2.7g |
炭水化物 | 16.5g | 5.2g | 0g |
※3品とも数値はセブンイレブンHPより。サラダチキンは「糖質0gのサラダチキン」 で、脂質は1枚110gで換算。
手軽にタンパク質がたっぷり摂れるといえばサラダチキンですが、栄養価をみると糖質がゼロ。この「糖質ゼロのサラダチキン」以外でも、サラダチキンは糖質が少なめです。
そこで、サラダチキンにはおにぎり、パンなどをプラスしましょう。バナナでもOKです。
ハンバーグはタンパク質がもう少し欲しいところ。糖質と脂質は十分なので、冷や奴やゆで卵を足すとよいでしょう。
鶏もも肉の照焼もタンパク質が足りないので、チーズ、冷や奴などを添えましょう。糖質も不足気味なので、おにぎり、パンをプラスして。
筋トレ後・おすすめコンビニ飯
1.タンパク質20g以上のフード
トレーニング後に筋肉を増やすためには、タンパク質は20~40gは必要という調査結果があります。実際には年齢、体形、トレーニング量によって差があるので「目安は20g」と覚えておきましょう。
タンパク質20gは、サラダチキン1個で摂れる量です。
肉や卵などをたっぷり使ったパンなどを選ぶのもよいでしょう。最近では、写真のようなサンドイッチも登場。手軽にタンパク質と糖質が摂れる商品を探してみましょう。
※「たんぱく質が摂れるチキン&エッグ」(セブンイレブン)
2.合わせ技でタンパク質アップ
一品だけで20g以上のタンパク質をまかなえないときは、高タンパク質フードをプラスしましょう。ゆで卵、チーズ、冷や奴、おでんなどがおすすめです。
・ゆで卵(1個) = タンパク質 約6g
・チーズ(さけるチーズ1個) = タンパク質 約7g
・冷や奴(1パック) = タンパク質 約10g
また、チルドのおつまみ・惣菜にもタンパク質フードはたくさんあります。焼き油揚げや厚揚げ、冷しゃぶ、蒸し鶏、枝豆などもおすすめです。
コンビニ飯で気をつけたいこと
コンビニは、筋トレに役立つフードを変える便利なお店であると同時に、誘惑が多い場所でもあります。
トレーニングの前後に行く場合に、注意するべき点は3つあります。
1.余計なものを買わない
お菓子、スイーツ、アイス、ホットスナックなどの誘惑に負けないようにしましょう。これらの余分な糖分や脂質は、筋トレに役立ちません。いまの自分に必要なコンビニ飯を選んだら、すぐに会計をすませましょう。
2.単品買いは避ける
単品とは、お弁当や麺類、ごはんものです。単品で空腹を満たすのは、どか食いや血糖値急上昇などを招きがちです。賢いコンビニ飯は、数品を組み合わせるのがポイント。多種類を組み合わせると、自然と栄養バランスが整います。
3.ドリンクの選び方
賢くコンビニ飯を選んでも、ドリンク選びで台無しになることもあります。甘い炭酸飲料は避けても、野菜ジュースを選んでいませんか。野菜ジュースは、商品によっては糖質が多く、換算すると砂糖小さじ1も含まれているものがあります。水、お茶、コーヒー、無糖ティーが無難です。
常備しておくと助かるコンビニ飯
長期保存ができて栄養バランスのよいコンビニフードを常備しておきましょう。朝食、間食、夜食に役立ちます。忙しいときも最低限の栄養補給が可能です。
1.朝食におすすめ
サラダチキン、サラダサーモン、ライ麦パン、豆乳や牛乳、カップス―プ(なるべく具だくさんのもの)など
2.間食・おやつ向き
冷凍カットフルーツ、チーズ、ヨーグルト、全粒粉スナック、低糖質スナック・クッキーなど
3.夜食におすすめ
サラダチキン、サラダサーモン、サバ缶、チーズ、焼き鳥・砂肝の惣菜パックなど
まとめ
コンビニ飯は、選び方しだいで筋トレに役立つ食事になります。時間があるときに、ふだんはチェックしない売り場を探索してみましょう。こんな食品もあるんだ! と発見があるはずです。
そして、パッケージの栄養表示を見る習慣をつけましょう。いまの自分に合ったものが見つかります。