昔に比べると、食生活の変化や調理のしやすさなどにより、「魚よりも肉派」が多い今。しかし、魚は太りにくく痩せやすい体作りには欠かすことができない栄養素を豊富に含んでいる食材のひとつでもあります。そこで、今回は管理栄養士視点で、痩せるためにおすすめの魚の種類と簡単お手軽レシピをご紹介します。魚がダイエットにおすすめな5つの理由まずは、ダイエットに魚をおすすめする5つの理由をご紹介します。①タンパク質が豊富タンパク質は、体の材料になる栄養であり、筋肉を作る材料でもあります。太りにくい体を作るには、基礎代謝をアップさせることがポイントです。基礎代謝は、ただ生きているだけで消費されるエネルギーです。この基礎代謝で1番消費量が多いのが、筋肉です。筋肉量を増やし、基礎代謝をアップさせることで太りにくい体作りをサポートします。そのため、良質なタンパク質を豊富に含んでいる魚は、痩せる体作りのためには、積極的に取り入れたい食材のひとつなのです。②DHA・EPAが豊富DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、魚に含まれる脂質です。これらには、脂肪を燃焼させたり、中性脂肪を減らしたり、血液をサラサラにしたり、代謝をアップしたり、痩せる体作りには欠かせない働きがあります。食用の油としても販売されているDHAとEPAですが、とても酸化しやすいため、豊富に含んでいる魚を食べるというような取り入れ方がおすすめです。③ミネラル類が豊富体の調子を整えるために活躍するミネラル類も魚には豊富に含まれています。ただし、含まれている種類や量は、魚の種類によって異なります。ミネラルと一言でいっても、いろいろな種類のものがありますが、特に、カリウムやカルシウム、鉄、亜鉛を豊富に含んでいるものが多いです。カリウムは体の水分調整や筋肉の働きのサポート、カルシウムは骨の材料や筋肉の働きのサポート、鉄は酸素の運搬、亜鉛は鉄の働きやタンパク質合成のサポートなどダイエットをスムーズにするためには必要な働きをしてくれます。ミネラルは体の中で作ることができないため、食材から取り入れることが必要です。そのため、それにピッタリなものが魚です。④ビタミン類が豊富魚の種類により含まれている種類や量に差はありますが、代謝の働きをサポートするのに欠かせないビタミン類も魚には豊富に含まれています。代謝がスムーズに進むと基礎代謝のアップにも繋がることを考慮すると、ダイエットには欠かせません。ちなみに、ビタミンB6,B12,Dとナイアシンあたりが、肉よりも豊富に含まれているものが多いようです。⑤低カロリーなものが多い種類にもよりますが、特に白身魚は、低カロリーなものが多いです。活動量や運動量などが少なく消費カロリーに自信がない人は、ダイエット時は、特に白身魚を選ぶのがおすすめです。 痩せる魚を選ぶ時の押さえておきたいポイントダイエットのために食べるということを考えると、脂身のできるだけ少ないものを選ぶことだけは外せないポイントです。加えて、白身魚や赤身魚、青魚などいろいろな種類の魚がいます。これに関しては、目的によっても選ぶものが変わります。そのため、次項のランキングを参考にしてみてくださいね。痩せる魚ランキングトップ33位:赤身魚代表的なものには、マグロやカツオ、ブリ、サンマ、アジ、イワシなどがあります。鉄分が豊富に含まれているものが多いのが特徴です。鉄分不足が気になる場合には、ダイエットの妨げにもなるため、赤身魚は積極的に取り入れるのもおすすめです。また、白身魚に比べると、カロリーは高めですが、旨味も強いため、ダイエット中でも満足感が得られやすいです。2位:白身魚代表的なものには、タイやカレイ、タラ、サケ、ヒラメ、スズキなどがあります。高たんぱく質であり、低カロリーであるのが特徴です。カロリーが気になる人には、1番おすすめです。 淡白な味わいでもあるため、いろいろな食材や味つけ、調理方法との相性もよいため、使い勝手のよい魚でもあります。飽きずに食べられます。1位:青魚代表的なものには、サバやイワシ、アジ、サンマ、ニシン、ブリ、マグロなどがあります。脂肪燃焼のサポートをしてくれるDHAやEPAが、豊富に含まれているのが、青魚に多いのです。 中性脂肪や悪玉コレステロールを減らしたり、基礎代謝をアップさせたりするサポートもするため、効率的にダイエットをしたい方には、特におすすめです。痩せるためのおいしい魚の食べ方食べ方次第では、逆にダイエットの妨げになってしまう場合もあるため、調理の仕方にも気をつける必要があります。魚自体に、脂質は含まれているため、ダイエット中に関しては、いつも以上に、調理による油の摂取は避けたいところです。 そのため、揚げ物や(油をひいての)焼き物、ソテーなどは、おすすめできません。調理で加熱した油は、酸化もしているため、ダイエットの妨げになってしまうためご注意ください。代わりに、煮るや焼く、蒸す、茹でる、生などシンプルな調理法を活用するのをおすすめします。管理栄養士が教える簡単・おいしい痩せる魚レシピ【赤身魚の漬け】①マグロやカツオ、ブリなどを柵で購入したものを食べやすい大きさにカットする。(刺身やざく切りされたものでも大丈夫です。)②生姜をお好みの量すりおろす。(チューブのすりおろしたものでも大丈夫です。) 大葉は千切りし、カイワレ大根は根を落とし、2~3等分する。③大きめの器に、①と②、醤油、わさびを入れて、まんべんなく混ぜ合わせる。④器に盛って、海苔をトッピングしたらできあがり。※そのまま、おかずとして食べても問題なしです。もしくは、ごはんの上にトッピングして、丼ぶりにするのもおすすめですよ。【白身魚ときのこの蒸しもの】①お好みのタイやタラ、鮭の切り身を半分にカットし、酒をふりかけておく。きのこ類も石づきを落として、バラバラにほぐしておく。キャベツもしくは白菜はざく切りにしておく。②キャベツ・白菜→きのこ類→白身魚の順に下から重ねて、蒸し器で蒸す。③ポン酢をかけたら、できあがり。※お好みで、唐辛子や柚子胡椒などを添えると、アクセントがつき満足度もあがりますよ。【青魚としめじの炊き込みごはん】①鯖やいわし、秋刀魚などの水煮缶を用意する。生姜は千切りにする。しめじは石づきを落として、バラバラにほぐしておく。②炊飯器に米をいれて、水・醤油・みりん・酒・塩を入れた後、まんべんなく混ぜ合わせる。①を全体にまんべんなく広げて、炊飯スタート。(鍋で炊くとさらに、おいしいです。)③炊きあがったら、釜の底から、具が均等になるように混ぜる。④お茶碗によそって、千切りした大葉と海苔をトッピングしたらできあがり。 おいしく魚を食べて太りにくく痩せやすい体を手に入れよう魚は料理が手間・分からないなどという理由で、手に取られることが少ない食材ですが、ダイエットの時には、強い味方になってくれます。魚の種類や調理法、味付けなどを変えると、意外と手軽に食卓に取り入れることができます。太りにくく痩せやすい体作りには欠かすことができない魚を上手に取り入れて、健康的にスリムな体をゲットしてみませんか?