実は筋肉量を増やしながら痩せることはなかなか難しいと言われています。 その理由は、筋肉量をアップすることと、痩せることは全く逆の食事管理になるからです。 例えば、筋肉をつけるためには摂取カロリーを上げなければなりません。ですが、ダイエットをするためには摂取カロリーを制限する必要があります。 したがって、この両方を実現することは現実的に不可能なのです。 しかし、筋肉がついて引き締まった健康的な身体になりたいと思う方も少なくないと思います。 そのため、今ある筋肉量を減らさず、維持しながらダイエットを実践していくことを目指されてみてはいかがでしょうか? ここでは、筋肉量を維持しながら体脂肪を減らす方法をご紹介します。 筋肉量を維持するダイエットはカロリーコントロールも必要減量するためには、摂取カロリーを把握しておくことも大切です。 しかし、やみくもにカロリーのみを制限すれば良いわけではありません。 摂取カロリーばかりに気を取られて食事量が極端に減少してしまうと、身体に必要な栄養素が不足し、代謝が落ちてしまいます。その結果、筋トレの効果を下げてしまうことにも繋がるのです。 また、基礎代謝量よりも摂取カロリーが下回ると、身体がエネルギー消費を控えてエコモードになってしまいます。その影響から、体力を温存しようと働くため体重が落ちにくくなってしまうのです。 したがって、筋トレの効果を存分に発揮しながら体脂肪を落とすためには、必要なカロリーや栄養素をしっかり補給することが大切です。また、質の良い食事や栄養バランスを意識するようにしましょう。 どんな食事が理想的?規則正しい食生活1日3食バランス良く食べることで、ホルモンバランスが安定したり、血糖値が安定して満腹感が持続しやすくなります。 しかし、不規則な食生活や欠食などをしてしまうと、空腹時間が長くなりエネルギー不足になってしまうのです。そうなると、先述したように身体の筋肉量が分解されてしまい、基礎代謝量が低下する原因になります。高たんぱく質・低脂質な食材がおすすめ体脂肪を落としながら筋肉量の維持を目指すためには、脂質を抑えながらたんぱく質を多く含む食材を選び、効率的に栄養補給しましょう。 【できるだけ避けたい・摂取量に注意する食品】カロリー(kcal)脂質(g)サーロイン46044.7豚バラ肉39840.1クリームチーズ31333プロセスチーズ31326さんま28725.6牛ひき肉25121.1豚ロース24819.2鯖(まさば)21116.8(100gあたり) 参照:日本食品標準成分表2020年度版(八訂)たんぱく質では、サーロインや豚バラ肉などの脂身が多い肉やチーズ類は高脂質でカロリーも高くなります。 そのため、筋トレやダイエット中にはなるべく控えるようにしましょう。 ただし、鯖やさんまなどの青魚には良質な脂肪酸も含まれていますので、とりすぎない程度に摂取したいですね。 【積極的に摂りたい食品】カロリー(kcal)脂質(g)納豆(糸引き)19010鮭(しろさけ)1244.1豚もも肉1193.6まぐろ(めばち 赤身)1152.3かつお(春獲り)1080.5豚ヒレ肉1051.7木綿豆腐734.9タラ(まだら)720.2(100gあたり) 参照:日本食品標準成分表2020年度版(八訂)豚ヒレや豚ももなどの赤身の肉、鮭や白身魚などの淡泊な魚、カツオやまぐろなどの赤身の魚、豆腐などの大豆製品は高たんぱく質・低脂質でダイエット中にはおすすめな食品です。 炭水化物は精製されていないものを選ぶオートミールや玄米、雑穀米などの精製度の低い茶色い炭水化物は、食物繊維やビタミンB1などが豊富に含まれています。 そのため、血糖値の上昇を抑えたり、糖質代謝を高めてくれる働きもありますよ。 ですが、精製度の高い白米や砂糖は、脳の報酬回路の影響が大きく、摂りすぎになりやすい傾向にあります。 そのため、白米を食べることが心配な方は、できるだけ精製度の低い茶色の炭水化物を選べると良いでしょう。調理に使う油脂は最低限に植物油は全て1gあたり9kcalなので、炒め物や揚げ物などはカロリーが高くなりやすいので注意しましょう。 例えば、健康的なイメージがあるオリーブオイルやMCTオイルなども同様のカロリーなので、摂りすぎてしまうとカロリー過多になってしまう場合もあります。 使用する油の量には常に敏感になれると理想的です。使用する際は、小さじやティースプーンなどで計ってから使用することをおすすめします。 筋トレ時の食事のタイミング 運動の前後でも栄養バランスの良い食事を摂ることが基本になります。 しかし、どうしても時間がない場合は欠食しないように最低限の栄養素を補うのがポイントです。 エネルギーが不足すると、本来なら筋肉の修復や維持などに使われるべきエネルギーが運動によって消費されてしまいます。その影響から筋肉量が減少してしまうのです。 それらを防ぐためにも、運動の前後はしっかりエネルギー補給をして筋肉に栄養素を届けましょう。 運動する1時間前は、おにぎりやバナナなどの炭水化物がおすすめです。30分前であれば、消化吸収がされやすいバナナや果実ジュースなども良いでしょう。 運動後の45分以内が栄養補給の絶好のタイミングなので、たんぱく質や栄養バランスの良い食事を摂取すると吸収が高まりますのでおすすめです。 ダイエット中の主食にはオートミールが最適オートミールってどんなもの?オートミールは、オーツ麦を蒸したり、平たく潰すなど加工し、食べやすい形にしたシリアルの一種です。 また、外皮が残っているため精製度が低く、栄養素が豊富に含まれている特徴があります。 ですが、オートミールには加工の仕方によっていくつかの種類があり、何を買ったら良いか悩んでしまう方もいらっしゃるかもしれません。 オートミールは種類によって加熱が必要なものがあったり、生で食べられるものがあったり食べ方も様々なので使いやすいものを選ぶのも1つの方法です。 種類には、スティールカットオーツ、ロールドオーツ、クイックオーツ、インスタントオーツなどがあります。 クイックオーツやインスタントオーツはそのまま生で食べることができますので便利です。調理方法とメリット調理方法は簡単で、クイックオーツやインスタントオーツはヨーグルトや汁物などに5分くらいふやかすだけで手軽に食べることができます。 そして、オートミールには腹持ちが良い特徴があります。 その理由は、水溶性食物繊維や不溶性食物繊維が両方含まれているからです。 水溶性食物繊維は、胃腸をゆっくり移動するため、血糖値が緩やかになり空腹感を感じにくい作用があります。 一方、不溶性食物繊維は胃腸の中で水分を吸って膨らむため、満腹感が得られやすい特徴があるのです。 また、オートミールは白米よりも低カロリー・低糖質になります。1食あたりで計算すると、白飯(150g)は234kcal、糖質54.3gになりますが、オートミール(40g)で140kcal、23.8gになります。 他シリアルとの比較 カロリー(kcal)糖質(g)食物繊維(g)オートミール35059.79.4フルーツグラノーラ43866.39コーンフレーク38081.22.4100gあたり 参照:日本食品標準成分表2020年度版(八訂) シリアルでは、フルーツグラノーラは原材料に砂糖や植物油脂などが入るのでカロリーや糖質が高くなります。 しかし、オートミールはフルーツグラノーラやコーンフレークよりも低カロリー・低糖質で食物繊維が豊富に含まれていますのでダイエット向きですよ。 オートミールの栄養・効果GI値が低いGI値とは食後血糖値の上昇を指数で表したものです。この指数が低ければ血糖値が上がりにくい食品と言えます。 オートミールのGI値は59、白米76になります。オートミールは白米よりもGI値が低いので血糖値が上がりにくく、ダイエット向きであると言えます。ビタミンB1が豊富オートミールにはビタミンB1が0.2mg、白米には0.02mgになります。白米よりもオートミールには10倍のビタミンB1が含まれていることが分かります。 ビタミンB1は、体内で糖質を燃焼させてエネルギーに変換するときに必要になるビタミンです。 甘いものやアルコールを多く摂取する人や運動などをして疲労を溜めやすい方に積極的に摂りたい栄養素です。ミネラル補給に効果的オートミールには胚芽や種皮が含まれているため、カルシウムや鉄などのミネラルをしっかり摂ることができます。 オートミールには、カルシウムが47mg、鉄が3.9mg。 一方、白米には、カルシウムが3mg、鉄が0.1mg含まれています。 このように、精製度の低いオートミールにはカルシウムが白米の約15倍、鉄はカルシウムの約39倍の量が含まれていますので、骨の健康や貧血対策にも効果的です。 オートミールを使ったレシピお茶漬け風器にオートミールと水を加えて電子レンジで加熱してふやかします。そこにお茶漬けの素を加えてしっかり混ぜたら完成です。お好みで海苔やいりごまなどを追加しても良いですね。中華粥器にオートミールと水、中華スープの素を加えて混ぜます。そして、溶き卵を加えてふんわりラップをして電子レンジ加熱をしたら完成です。オーバーナイトオーツ器に牛乳とオートミールを加え、ラップをして冷蔵庫で一晩寝かせます。そのようにするとオートミールが柔らかくなり食べやすくなりますよ。 お好みのフルーツなどと合わせても良いでしょう。ただし、果物には糖質が多いので摂りすぎには注意が必要です。 まとめ筋肉量を維持しながらダイエットするためには、栄養バランスだけでなく食事の質にも意識することが大切です。 とくに、オートミールは栄養価が高く、血糖値の上昇を抑えられるのでダイエット効果も高い食材になります。ぜひ普段のお食事にも取り入れてみましょう。