さつまいもは芋類の仲間なので糖質が多いイメージがありますが、実は筋トレとの相性は抜群です。上手にとり入れれば筋トレやボディメイクにもおすすめな食材になりますよ。ここでは筋トレにさつまいもをとり入れるメリットやタイミング、注意点なども紹介します。筋トレ時にさつまいもを食べるメリットとは?筋トレをされている方は、余分な体脂肪を減らして筋肉をつけたいという方が多いと思います。そのような時にとくにおすすめしたい食材がさつまいもです。血糖値が上がりにくく、ビタミンなどの栄養素も豊富なので、代謝を高める働きも期待できますよ。ぜひ筋トレご飯にさつまいもを積極的にとり入れていきましょう。炭水化物の中でもGI値が低いさつまいものGI値は55と低い値になっていますが、白米は88、食パンは91と高い値になります。その理由は、さつまいもには食物繊維が豊富なので血糖値の上昇が緩やかになるからです。そのため、血糖値を下げるためのインスリンの分泌が抑えられ、体脂肪に蓄積されにくくなります。不溶性食物繊維が多い食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の種類がありますが、さつまいもには不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維は、胃腸内で水分を吸収して膨らみ、腸の動きを活発にしてくれます。また、繊維質も多いのでよく噛むことに繋がり、満腹感も得られやすいのが特徴です。ビタミンC、カリウムが多いさつまいも(皮なし生)には100gあたりビタミンCが29mgが含まれています。一方、りんご(皮なし生)には4mg のビタミンCが含有しています。このように含有量を比較すると、さつまいものビタミンCはりんごの約7倍も含まれているのが分かります。とくに、さつまいものビタミンCはでんぷんに囲まれているので、加熱してもビタミンCが損失しにくい特徴があります。ビタミンCは、抗酸化作用や免疫力の向上も期待できます。また、さつまいも(皮なし生)にはカリウムの含有量が多く、100gあたりカリウムが480mg含まれています。白飯と比較すると、白飯にはカリウムが29mg含まれています。したがって、さつまいもに含まれているカリウムは白飯の16倍もの量が含まれているのです。カリウムは体内の余分な塩分を体外に排出する役割があり、血圧降下にも効果的です。白飯より低カロリー白飯のカロリーは100gあたり157kcalですが、さつまいも(皮なし生)は126kcalとなります。さらに、100gあたりの糖質量では白飯では36g、さつまいもでは29gになります。そのため、さつまいもはカロリーだけでなく糖質量も低いことが分かりますね。しかし、さつまいもは甘味があり食べ過ぎになりやすい傾向にありますので、摂取量にさえ気をつければ筋トレご飯にも大活躍ですよ。さつまいもを食べるタイミングとは?筋トレ前にエネルギー補給をするのはなぜ?トレーニング前にエネルギー補給をするのは、筋肉の分解を防ぎ、筋肉が成長しやすい状態を保つためです。つまり、トレーニングをすると始めにエネルギーとして利用されるのが筋肉や肝臓に貯蔵しているグリコーゲンや炭水化物になります。そのため、トレーニング前にはグリコーゲンの貯蔵をしておくことが重要になります。トレーニングによってグリコーゲンが枯渇してしまうと、次にエネルギー源になるのは筋肉になります。せっかく筋肉をつけたのに、筋肉が分解されてエネルギー源として使われ、筋肉の成長が邪魔されてしまうのは本末転倒ですよね。したがって、トレーニング前はグリコーゲンを満タンにし、さらに炭水化物と一緒にたんぱく質も補給することで筋肉の分解も防ぐことができますよ。さつまいもはいつ食べると良い?さつまいもを食べるタイミングは、トレーニングの2~3時間前に摂取できると理想的です。その時間帯がベストな理由は、さつまいもは低GI食品に分類されるため、2~3時間前に摂取すると、血糖値が緩やかに上昇し、エネルギー補給をゆっくり継続して行うことができるからです。また、さつまいもと一緒に鶏肉やギリシャヨーグルトなどのたんぱく質とともに組み合わせるとトレーニング中のエネルギー源になります。なお、さつまいもなどの芋類、玄米、全粒粉のパンは複合炭水化物と呼ばれています。これらの食品の特徴は、トレーニング中のスタミナ持続に最適です。一方、果物やはちみつなどは単純炭水化物と呼ばれ高GI食品の仲間になります。素早くグルコースを体内に補給できるので、トレーニングの30分~1時間前に食べるのがおすすめです。このようにトレーニングの時間帯に合わせてエネルギー補給をすると良いでしょう。さつまいもの調理法で注意すること焼き芋はGI値が上がるさつまいもは蒸したり、茹でたりするとGI値は40~50と低GIになりますが、焼き芋にすると低GIだったさつまいもが一気に高GIに変化してしまうのです。というのも、焼き芋のGI値は80~85くらいになり、白飯に近いGI値に変わってしまいます。なぜなら、焼き芋は高温で長時間加熱されることで、でんぷんが麦芽糖に変わってしまうからです。さらに、さつまいもには血糖値の上昇を抑えるポリフェノールの仲間であるクロロゲン酸が含まれていますが、加熱によって分解されてしまうことも原因です。ですが、GI値が上がってしまったさつまいもは、工夫次第で血糖値を下げる食べ方ができますよ。それは、焼き芋を冷蔵庫で冷やすことです。そのようにすると、さつまいもに含まれているレジスタントスターチが増えます。レジスタントスターチとは、さつまいものでんぷんが糖化したものであり、体内で消化されにくい性質があります。よって、冷蔵庫で冷やしたさつまいもは血糖値の上昇を抑えられるのです。干し芋は糖質が高い干し芋はさつまいもを乾燥させているため、栄養素が濃縮されています。それゆえに、カロリー、糖質量なども高くなってしまうのです。実際に干し芋と白飯の糖質量を比べてみると、干し芋の糖質量は100gあたり66g、白飯の糖質量は100gあたり36gとなっています。干し芋は白飯に比べて約2倍近くの糖質が含まれているのが分かります。例えば、間食に干し芋を1袋召し上がられてしまうと、軽めのご飯2杯分の糖質量を摂取してしまいますので摂取量に気をつけましょう。とくに、干し芋は食感が軽く食べすぎになりやすいので気をつけましょう。例えば、紅茶や無糖のコーヒーなどの飲み物と合わせると、満腹感を満たしながら食べることができるのでおすすめですよ。さつまいものおすすめレシピさつまいものヨーグルトサラダ茹でたホクホクのさつまいもとほのかな甘さや酸味が効いたさっぱりしたサラダです。さつまいもに無糖のヨーグルトをプラスすることでたんぱく質を補いながら脂質も抑えられますよ。乳製品には体内で合成されない必須アミノ酸がバランスよく配合されています。なかでも必須アミノ酸のロイシンは筋肉を作る役目を果たします。作り方は、さつまいもをしっかり茹でて水切りしてから潰します。そして、塩もみしたキュウリなどの野菜と一緒に和えます。味つけはシンプルに塩こしょうをふりかけたら完成です。さつまいもと鶏肉の煮物さつまいもに鶏もも肉を合わせるとコクが出て煮物が美味しく仕上がります。鶏もも肉は皮を取り除くことで低カロリー、高たんぱく質な食材になります。炭水化物やたんぱく質がしっかり補えるので、筋肉量を増やして身体を大きくしたい方向けのメニューです。作り方は、輪切りにしたさつまいもと鶏肉を炒め、砂糖、醤油、みりんなどで甘辛く煮付けたら完成です。煮物は砂糖やみりんの量が多くなると糖質量が高くなりやすいので、調味料の量にも注意しましょう。さつまいものミネストローネスープミネストローネスープにさつまいもや大豆をプラスして腹持ちを良くしたスープです。大豆は植物性たんぱく質でありながらも低脂質・高たんぱく質な食材になります。大豆のアミノ酸スコアは肉などと同じく100の満点になっています。したがって、大豆製品は栄養価も高い食材なので、さつまいもと上手に組み合わせてとれると理想的です。作り方は、トマト缶にダイスカットしたさつまいも、人参、玉ねぎ、セロリ、キャベツ、水煮大豆を加えて煮込みます。具材が柔らかくなったらコンソメを加えて味つけしたら完成です。まとめさつまいもは低GIで栄養価が高く、筋トレご飯にはおすすめな食材です。そして、摂取するタイミングも工夫できるとより効果的に筋肉合成を促すことができますよ。さつまいもは主菜・副菜・汁物としても成り立つので、しっかり筋トレをしながらさつまいもの色んな調理法を楽しんでくださいね。