お蕎麦はヘルシーなイメージがありますが、お蕎麦を食べれば痩せるのでしょうか?実はお蕎麦のダイエット効果を高めるためには、食材の種類や組み合わせ方の工夫が必要です。ここではお蕎麦を活用したダイエットのやり方やおすすめな食べ方なども詳しく紹介していきます。お蕎麦の栄養素と働き 血糖値の上昇を抑える お蕎麦はGI値が低いのでダイエット向きな食材と言えます。このGI値とは食後の血糖値の上昇指数を数値で表したものです。なお、GI値ではお蕎麦は54、うどんは80、白飯88となっており、炭水化物の中でもお蕎麦はGI値が低いことが分かりますね。血糖値の上昇が抑えられることによって、ダイエット効果が高まります。その理由は、血糖値を下げる働きがあるインスリンの分泌量が少なくなることで、体脂肪の増加を抑えられるからです。つまり、インスリンは血糖値を下げること以外にも、糖分を脂肪に変えて体脂肪に蓄える働きもあります。よって、血糖値を緩やかに保つことが、体脂肪が身体につきにくくなるのです。糖質や脂質代謝をサポートするお蕎麦にはビタミンB1やビタミンB2が豊富に含まれています。ビタミンB1は体内で糖質を燃焼させ、エネルギーに変換するときに必要なビタミンです。したがって、トレーニングなどで疲労回復をしたい方や炭水化物が多くなりがちの方はビタミンB1を意識してとりたいですね。一方、ビタミンB2は脂肪を分解して体内でエネルギーに変えてくれるため、脂質代謝を手助けしてくれるビタミンになります。ダイエット中の方や脂質の摂取量が多くなりやすい方はビタミンB2をしっかり補給できると良いでしょう。トレーニング効果を高めるお蕎麦は植物性たんぱく質が豊富なので、筋トレ後の筋肥大にも効果的です。また、お蕎麦にはルチンという抗酸化物質が豊富に含まれているので、筋肉の合成を促してくれる働きもあります。例えば、筋トレを行うと、筋繊維が傷つくことで筋肉に炎症を起こしてしまいます。その時に活性酸素を生じ、筋肉の合成を妨げてしまうのです。よって、お蕎麦に含まれているルチンを摂取することで活性酸素を撃退し、筋肉が作りやすい環境になりますよ。このようにお蕎麦には筋肉の成長に有用な栄養素が含まれているので、筋トレご飯に活用してみましょう。お蕎麦のカロリーや糖質量 (100gあたり)お蕎麦は他の麺類や白飯などと比較すると、カロリーや糖質量が一番低くなっています。また、食物繊維量やたんぱく質も多く含まれていることが分かりますね。このように主食の中では栄養素のバランスがとれているので、ダイエット向きと言えますね。カロリー糖質(g)たんぱく質(g)脂質(g)食物繊維総量(g)干し蕎麦(ゆで)11322.14.811.5そうめん(ゆで)11424.93.51.10.9干しうどん(ゆで)11725.13.10.50.7白飯15735.83.50.30.3日本食品標準成分表2020年版(八訂)お蕎麦に含まれている食物繊維の種類は?お蕎麦に含有している食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が入っています。干し蕎麦(ゆで)の場合は水溶性食物繊維が0.5g、不溶性食物繊維が1.0g含まれており、これらの食物繊維には次のような特徴があります。水溶性食物繊維は善玉菌のエサになりますので、善玉菌を増やして腸内環境を改善する働きがあります。また、糖質の吸収を抑えたり、コレステロールを吸着して体外に排出したりする役目があります。不溶性食物繊維は、胃腸内で膨らんで腸を刺激することで腸の動きを活発にするため、便通促進に効果的です。とはいうものの、食物繊維は不溶性食物繊維のみに偏ってしまったりすると便のかさを大きくして便の排出がしづらくなってしまいますので、水溶性食物繊維とバランス良くとれると理想的です。お蕎麦にはこれらの2種類の食物繊維が含まれていますので、便秘がちな方、血糖値やコレステロール値が気になる方にはおすすめですよ。お蕎麦ダイエットのやり方 お蕎麦を1食もしくは数食を置き換えるお蕎麦を1週間、1日3食のうち1食を置き換えるというダイエットです。今まで食べていた主食の炭水化物を白飯からお蕎麦に換えてカロリーや糖質量が減らせるように量を調整する方法になります。例えば、1食あたり白飯を150g食べていたら、235kcal.糖質53gになります。つまり、お蕎麦をこのカロリー、糖質量を下回るようにコントロールできれば痩せられるということになります。干したお蕎麦(ゆで)100gであれば、113kcal.糖質22.1gになります。このように白飯をお蕎麦に換えるだけでカロリーや糖質量は1/2くらいに抑えることができるのです。お蕎麦の種類にも気をつけようお蕎麦には蕎麦粉の含有率によって種類が変わります。よって蕎麦粉の含有量が多ければ、食物繊維量が増えるので血糖値が上がりにくくなります。お蕎麦の種類では、蕎麦粉のみで作られた蕎麦を十割蕎麦と言います。一方、蕎麦粉が8割、つなぎに小麦粉が2割入った蕎麦は二八蕎麦と呼ばれます。ダイエット面ではつなぎなどが入らない十割蕎麦がおすすめですが、食感がザラザラしていて少し食べにくいデメリットもあります。食べやすさを重視するなら、十割蕎麦よりも喉ごしが良い二八蕎麦を選ぶのも良いでしょう。また、蕎麦粉から手作りの蕎麦を作るお蕎麦屋さんでは、蕎麦粉の含有量が高い麺が提供されていることが多いので、そのようなお店のお蕎麦を召し上がるのも1つですね。蕎麦湯を飲む蕎麦湯とは、お蕎麦を茹でた後の茹でた汁のことを言います。お蕎麦屋さんなどに行くと食後に提供されることがありますよね。実は、この蕎麦湯には沢山の栄養素が含まれているのでダイエットに必要な栄養素も摂取することができますよ。蕎麦粉に含有している植物性たんぱく質、カリウム、食物繊維、ビタミンB群などの栄養素は水に溶けやすい特徴がありますので、お蕎麦を茹でたときの茹で汁に栄養素が含まれています。そのため、お蕎麦を茹でた後の蕎麦湯を飲むとお蕎麦の栄養素を余すことなく補うことができますね。しかし、蕎麦湯に蕎麦つゆを加えた場合は塩分量も高くなりますので注意しましょう。高血圧や浮腫み予防のためにも飲みすぎないように気をつけたいですね。お蕎麦の注意点 麺の量に気をつけるお蕎麦は食物繊維が豊富でGI値も低いからといって摂取量が多くなってしまうと、カロリーや糖質量などもアップしてしまいますので注意しましょう。お蕎麦は1食あたり、干したお蕎麦(ゆで)では、260gくらいを目安にできると良いですね。茹でたお蕎麦は1玉260gくらいなので、多くてもそのくらいまでに抑えられると理想的です。お蕎麦のカロリーと糖質量を算出すると、260gの場合は293kcal、糖質57.4gになります。白米をお蕎麦と同じカロリーに合わせると、ご飯の量は190g(298kcal.糖質68g)に相当します。この量は定食屋さんなどで提供されるご飯の量くらいになるので、女性や小食の方からするとやや多いと感じるかもしれません。このように個人によって基礎代謝量や活動量なども異なりますので、全ての人に一般的な主食の量が当てはまるものではありません。ダイエットが目的でしたら、体重や運動量などに合わせてお蕎麦の量も調整していくと良いでしょう。つゆの塩分に注意ざる蕎麦の場合、つけ汁の塩分量は2.8g前後になります。かけ蕎麦になると塩分量は5.8g前後になることが多いので、つゆの塩分量にも気をつけましょう。塩分摂取量が多くなると浮腫を生じて体重増加を招いたり、血圧が高くなったりします。それゆえに、ダイエットのみならず健康面でも塩分量にも気をつけたいですね。厚生労働省から策定されている食事摂取基準(20年版)では、成人の1日の塩分目標量は男性7.5g.女性6.5g以下と記載されています。男性なら1食あたり2.5g.女性なら2.1g以下の塩分量に抑えるのが好ましいということになります。よって、お蕎麦を食べる時はかけ蕎麦よりもざる蕎麦を選べると良いですね。しかし、ざる蕎麦のつけ汁は全て使用してしまうと1食あたりの塩分量をオーバーしやすいので、つけ汁は半分くらい残せると理想的です。トッピングに注意 ダイエットではカロリー制限を気にするあまり、栄養バランスが崩れてしまうのは本末転倒です。例えば、お蕎麦を単品で摂取してしまうと、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が不足してしまいます。なので、たんぱく質や野菜のおかずと組み合わせて食べるのがおすすめです。おかずの種類では、えびの天ぷらやかき揚げなどの揚げ物がプラスされてしまうと脂質量も上がって高カロリーになってしまいます。その結果、ダイエットとはほど遠いメニューになります。そこで、トッピングの種類には、ちくわ、納豆、鶏むね肉などの脂質が低い食材や海藻、山菜などの食物繊維が多い食材を組み合わせると良いですね。お蕎麦のダイエットレシピ 豚しゃぶサラダ蕎麦お蕎麦に豚肉のたんぱく質や野菜などを盛り付けると、栄養バランスが整ったお蕎麦メニューになりますよ。作り方は茹でたお蕎麦を冷水にとり、ザルでしっかり水切りします。その上にレタスや水菜、トマトなどをトッピングし、麺つゆやポン酢、ねぎと合わせた香味だれをかけたら完成です。きのこと鶏肉のつけ蕎麦きのこは食物繊維が多く低カロリーなので、具材に使用するとかさ増し効果もアップして満腹感も得られやすいメリットがあります。また、鶏肉は皮に脂質が多く含まれているので取り除きましょう。さらに鶏肉の種類では鶏ささみやむね肉を使用すると脂質量を抑えられますよ。作り方は、希釈した麺つゆにきのこや鶏肉を加えて、煮詰めてからつけ汁を作ります。そして茹でたお蕎麦をつけ汁につけて食べましょう。まとめお蕎麦にはダイエットサポートしてくれる栄養素が豊富に含まれています。しかしながら、食事だけではなかなか減量が進まない場合もあります。そんな時はお蕎麦を摂りながら筋トレなどのトレーニングを併用すると、筋肉量もアップして脂肪燃焼やダイエット効果も高まりますよ。