春はダイエットの効果が出やすい季節です。冬眠モードから春の活動モードへと切り替え、「正しく食べて、しっかり動く!」という日常を取り戻すことができれば、摂取と消費のエネルギーバランスも痩せる方向へと傾いてくるでしょう。また、春分を過ぎて日の出が早くなると、自然と朝の目覚めがよくなります。日中の活動量も増えることで生活リズムが整っていき、乱れた体内時計もリセットしやすい季節です。春を支える肝臓の働きそんなアクティブな春を支えているのが肝臓です。肝臓には、①栄養素の代謝・貯蔵、②解毒、③胆汁の生成・分泌という3つの機能があります。春を支える肝臓の機能について、以下で詳しく解説しましょう。①栄養素の代謝・貯蔵胃腸から吸収された栄養素を、体内で使える形に変えてくれるのが肝臓です。たとえばブドウ糖は、グリコーゲンとして肝臓に蓄えられ、必要に応じてエネルギーへと変えられます。そのためエネルギー消費が活発になる春は、肝臓が忙しくなるのです。②解毒体内の有毒物質を分解しているのも肝臓です。冬の間に蓄積した老廃物をデトックスし、春仕様の身軽な体に切り替えていきましょう。③胆汁の生成・分泌肝臓が生成する胆汁には、脂肪を消化吸収しやすくする働きがあります。それだけでなく、肝臓の解毒作用とともに、老廃物を体外に排出する働きもあるのです。肝臓を強化する食べ物このように春のダイエットを成功させるためには、肝臓がしっかりと働ける状態であることが大切です。ここでは肝臓を強化する食べ物について解説しましょう。食品血液は肝臓を強化します。血液の主な材料がタンパク質と鉄です。鉄はタンパク質と組み合わせることで効率よく摂取できます。鉄が多く含まれている食品は肉類、レバー、青魚、貝類、イカ、卵、ベリー類、緑黄色野菜などです。これらのうち動物性食品にはタンパク質も豊富に含まれています。ベリー類や緑黄色野菜などの植物性食品にはタンパク質が少なく、さらに植物性食品の鉄は非常に吸収しづらい性質を持っているため、ビタミンCや酸味のある食品を組み合わせて鉄の吸収を高める工夫が必要です。レシピホタルイカと菜の花の炊き込みごはん春に旬を迎えるホタルイカと菜の花が肝機能を高めます。菜の花はビタミンCを豊富に含むものの、鉄の吸収率が悪いため、ホタルイカでタンパク質を補います。血液を養い、さらに血行もよくする組み合わせです。材料(3〜4人分)米2合、ホタルイカ(ゆで)150g、生姜1片、醤油大さじ2、みりん大さじ2、菜の花100g作り方米を研ぎ、生姜は千切りにする。炊飯釜に①、ホタルイカ、調味料を入れて炊く。菜の花を色よく塩ゆでし、食べやすい大きさに切る。炊き上がった②に、③を混ぜ込む。ダイエットメモ米、パン、麺などの糖質を食べる時は、タンパク質と食物繊維の食品を組み合わせるように心がけましょう。糖質単体の食事よりも血糖値が急上昇するのを抑えられ、肥満ホルモン(インスリン)の過剰分泌を防ぐことができます。肝臓のデトックス機能をサポートする食べ物冬の体は、必要なものも不要なものも何でも溜め込んでしまいます。春に向けて、まず始めたいのが、冬に溜め込んだ老廃物を排出することです。ここではデトックス効果のある食べ物を上手に活用して、肝臓の負担を減らしてあげましょう。食品体内の毒素は肝臓で解毒された後、75%ほどが大腸から排出されます。これをサポートする食べ物が山菜、セロリ、菜の花、ちんげん菜、せり、豆苗、豆腐、海藻類、貝類などです。春野菜の苦味にはデトックスの効果があります。レシピ豆腐とわかめの味噌汁デトックス効果のある豆腐とわかめの組み合わせです。ただし、豆腐もわかめも体を冷やす性質があるので、冷えが気になる方はねぎなどの温性食品を組み合わせましょう。ねぎのストレスを発散させる作用には、肝臓の負担を減らす効果もあります。材料(2人分)豆腐100g、乾燥わかめ2g、だし汁300ml、味噌大さじ1、ねぎ10g作り方乾燥わかめを水で戻し、食べやすい大きさに切る。豆腐をさいの目に切る。鍋にだし汁、①、②を入れて温め、味噌を溶く。汁椀によそい、小口切りのねぎを散らす。ダイエットメモデトックスには腸内環境を整えることが大切です。腸内環境が良くなると排出力が上がるだけでなく、栄養素を取り込む力も上がるため、代謝が良くなります。腸活には、整腸作用のある発酵食品や水溶性食物繊維をこまめに摂りましょう。毎日の食卓に取り入れやすい味噌汁は、腸活にぴったりのメニューです。肝臓をストレスから守る食べ物フル回転で春を支えてきた肝臓も、五月ごろには疲れ果ててダウン......いわゆる五月病です。我慢強く、働きものの肝臓も、じつはストレスに弱いのです。新しい環境でストレスが増える春こそ、上手な発散方法で肝臓をストレスから守りましょう。食品ストレス発散には柑橘類、ハーブ、スパイス、しそ、春菊、キャベツ、レタス、玉ねぎ、マッシュルームなどの香りを活用します。春に旬を迎える柑橘類のさわやかな香りは、停滞する気を巡らせて、気分の落ち込みやイライラなどを解消してくれるものです。レシピオレンジのキャロットラペ血液を補う人参と、気血を巡らせるオレンジの組み合わせです。オレンジは文旦、甘夏、日向夏、八朔など...春らしい柑橘類で代替できます。このサラダは柑橘類のビタミンC、オリーブオイルのビタミンE、人参のβカロテン(体内で必要に応じてビタミンAになります)の相乗効果で高い抗酸化作用を発揮し、過剰なストレスによる活性酸素から肝臓を守るものです。材料(2人分)オレンジ1/2個、人参1本、塩ひとつまみ、オリーブオイル小さじ1、リンゴ酢小さじ1、はちみつ小さじ1作り方人参を細く切る。できれば包丁よりもグレーターで削った方が表面に凸凹ができ、味がなじみやすくおいしい。①に塩をふり、水気を軽くしぼる。オレンジの薄皮を取り除き、実を取り出す。②と③をオリーブオイル、リンゴ酢、はちみつで和える。ダイエットメモストレスは過食の原因にもなります。過剰なストレスは、食べたいという欲求を高めるノルアドレナリンの分泌を促してしまうからです。さまざまなストレスが重なる春。環境を変えるのは難しいと思いますが、できるだけストレスをためない方法を自分なりに見つけていきたいですね。ぜひ、その一つの手段として「リラックスできる食べ物の香り」を取り入れてみてください。まとめ春はコンディションさえ整えることができれば、自然と活動量が増えて痩せることができる季節です。コンディションを整えるためには、春に活躍する臓器「肝臓」をサポートする食事を心がけます。肝臓を強化する「タンパク質」や「鉄」を効率的に摂れる食べ物が動物性食品です。これに「旬」の食べ物を組み合わせることで、春の食事は整いやすいでしょう。気候がよく、花や草木が美しい季節です。運動習慣のない方も、散歩やウォーキングに出かけてみてはいかがでしょうか?運動に対するハードルが高い方は、誰かと一緒に運動を始めてみるのもおすすめです。パーソナルジムを活用するのもひとつですね。ダイエットの効果が出やすい春こそ、正しく食べて、しっかり動く!ぜひお試しください。