亀崎 智子(かめざき さとこ) ・管理栄養士
・中級食品診断士
・野菜ソムリエ
・無添加ふりかけアドバイザー
・JFCA認定講師(ファスティング)
・クリエイティブトリガーハンドプラクティショナー(CTHP)(オステオパシー整体)
暑くなり薄着の季節にもなる夏は、「痩せたい!」そんな人が、1年で1番増える時期でもあります。意外と1日の中で寒暖差もある夏は、夏バテなどで体調を崩してしまうという人も実は多いのです。
そこで、今回は、そんな夏に、健康的に太りにくいカラダ作りを習慣化するポイントと夏ダイエットにおすすめのレシピをご紹介します。
意外と夏は痩せにくい?
汗をかくことで代謝が上がるとイメージを持たれることが多い夏ですが、実はこれは間違いなのです。
気温が高くなる夏は、冬に比べると、体の中で脂肪を燃やして熱を産み出すという働きが、どうしても減ってしまいます。そのため、基礎代謝は、冬に比べると、約10%は低下すると言われています。
また、夏はその暑さのために、食欲が低下したり、ガスを使いたくなくなったりすることで、栄養バランスも崩れやすくもあります。その結果として、健康的に痩せるというのが、意外と難しい場合も多いのです。
夏ダイエットを成功に導く4つのポイント
そんな他の季節と比較すると、健康的に痩せるのが、少し難しい夏ですが、痩せるためのポイントをしっかりと押さえてあげると、そうではありません。
「夏はスリムな体でいたい!」そんな方は特に、夏前の今の季節から、4つのポイントを取り入れてみて下さいね。
①体を冷やさない
気温は高い夏ですが、クーラーや冷たい食べ物、飲み物などで体を冷やすものを取り入れる機会が、他の季節に比べると格段に多くなります。そのため、意外と、体が冷えすぎてしまっている「隠れ冷え性」の人が多いのです。体の冷えは、基礎代謝の低下にも繋がるため、痩せにくい体質にもなってしまいます。
そのため、暑いからといって、体が冷えすぎてしまうのを避ける環境作りが、とても重要です。これは痩せやすい体作りだけでなく、体調管理においても重要なポイントです。
クーラーに関しては、自分で温度を調整できる場合には、冷えすぎない温度設定にしましょう。それが難しい場合には、羽織ものなどを活用して、体が冷えすぎないようにするのもおすすめですよ。また、夏は暑いということで、お風呂はシャワーでさっさと済ませてしまう人も多いかもしれませんが、しっかりと湯船に浸かってあげるのもよいでしょう。
そして、ついつい、食事も冷たいものが多くなる時などは、温かい汁物や飲み物を一緒にとってあげたり、氷たっぷりの飲み物ばかりを摂り過ぎないことなどは意識してあげたいものです。
②適度な運動
暑いため、汗をかきたくないということで、運動量も減ってしまいがちですが、基礎代謝が低下してしまう夏こそ、適度な運動は、ダイエットの成功に欠かせません。
ただし、夏の運動は、熱中症にも気をつける必要があります。
外での運動に関しては、暑い日中は避けてもらい、涼しい朝や夕方以降に軽くウォーキングをするのはおすすめですよ、または、室内にて、プールやストレッチなどを行うのもよいでしょう。
③質のよい睡眠
「ダイエットに睡眠は関係ないでしょ?」とそんな風に感じる人もいるかもしれませんが、実はとても深く関係しているのです。夏は暑くて寝苦しくて、睡眠不足に陥ってしまうという経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
睡眠不足になると、食欲を抑えてくれるレプチンという物質の分泌が減ってしまい、食欲を促してくれるグレリンという物質の分泌を増やすという研究結果も発表されているのです。そのため、睡眠環境を整えることも太りにくい体質作りには欠かすことができません。
④栄養バランスのとれた食事
夏は、「暑くてガスをあまり使いたくない」「暑さで食欲も。。。」なんてことで、のど越しよく食べることができる麺類などが増えるという人も多いかもしれません。そのため、たんぱく質不足など栄養バランスがどうしても崩れやすいのです。また、食べやすいサラダだけになるとたんぱく質だけでなく、炭水化物も不足してしまい、エネルギー不足に陥ってしまう場合も。無理にたくさんを食べる必要は決してありませんが、食べる量が減ってしまっても、食事バランスを意識することで、健康的に痩せやすい体作りは可能なのです。
夏ダイエットの食事で押さえておきたい3つのポイント
夏ダイエットの食事もしっかりとポイントを押さえることで、楽しく取り組むことができます。
①定食スタイルがおすすめ
夏はパパっと食事を済ませたいということで、1品メニューで終わってしまうということも多いのではないでしょうか?特に、夏の人気メニューでもあるうどんや素麺などのメニューの時には、具材も少なくなってしまい、たんぱく質不足で炭水化物ばかりに偏ってしまうことも少なくありません。
そのため、定食スタイルやワンプレートごはんにしてあげるのは、おすすめです。おかずを準備することで、自然とバランスのよい食事になります。
②旬の野菜は食べ過ぎ注意
夏野菜は、夏の火照った体を冷やしてくれる働きがあります。そのため、ぜひ、取り入れていただきたいものではあります。しかし、摂り過ぎてしまうと体を冷やしてしまう危険性もあるのです。
クーラーなどで「隠れ冷え性」も多いため、夏野菜は、夏には積極的に取りれてもらいたいものでもありますが、全て生で取り入れるのではなく、スープやお鍋、グリルなど加熱をして食べるということも意識してあげるのもよいでしょう。
③ストック食材を常備しておこう
夏の食事は、どうしても炭水化物メインでたんぱく質が不足しがちになりやすいです。そのため、たんぱく源でもある魚や肉を蒸したり、茹でたり、グリルして冷凍ストックして、麺類などを食べる時にトッピングしてあげるのもおすすめですよ。
これも手間に感じる人は、鯖缶やシーチキン缶、ササミ缶などのたんぱく質メインの缶詰を常備して、炭水化物過剰になる時に活用してあげるのもよいでしょう。
夏ダイエットにおすすめレシピ3選
①鶏と梅肉のさっぱり素麺
夏だからこその麺類は、食べ方次第では栄養バランスのとれるメニューにも変身します。絶対NGにするのではなく、工夫することで、夏だからの麺類も楽しみながら、ダイエットに励むことができます。
1.鶏のササミに塩麹をまぶして、約1日漬け込んでおく。その後、お湯でボイルをして、粗熱がとれたら、ほぐしておく。
2.梅干しの種を取り除いて、果肉は包丁でたたいておく。大葉を千切りにする。レタスは食べやすい大きさにちぎっておき、サッとボイルする。水で冷やして、水気を切っておく。
3.素麺を茹でて、ざるに上げて、流水でもみ洗いをしてから、しっかりと水気を切る。
4器に、茹でた素麺と鶏のササミ、梅干しをたたいたもの、大葉、レタス、海苔をトッピングする。麺つゆをまわしかけたらできあがり。
※鶏ササミの代わりに、鶏むね肉や鶏もも肉、ササミ缶などに置き換えても美味しいです。
※麺つゆも簡単に手作りすることができます。醬油:煮切りみりん=1:1に、昆布やかつおぶし、干し椎茸を漬け込んでおくだけ。
※温かい出汁で食べてあげるのもおすすめですよ。
②豚しゃぶサラダ
野菜サラダだけでは、たんぱく質が不足気味になってしまいます。そのため、豚肉も一緒に食べてあげるとよいでしょう。生野菜だけでは、体が冷えすぎるだけでなく、かさがあり量があまり食べられないため、サッとボイルしたり蒸したりすることで、カサを減らしてあげるのもおすすめです。
1.レタスやベビーリーフなどを冷水に浸けて、しっかりと水気を切ってシャキッとさせておく。
2.トマトは洗って、食べやすい大きさにカットしておく。きゅうりや人参は千切りにして、塩もみをして、水気をしっかりと切っておく。長ネギの白い部分で白髪ねぎを作っておく。
3.沸騰した鍋の火を止めて、豚肉を2~3分茹でで加熱する。ザルにとり上げて、粗熱をとる。
4.1の上に、トマトときゅうりと人参の千切り、白髪ねぎ、ボイルした豚肉を盛り付ける。
5.ポン酢をまわしかけたらできあがり。
※これを麺類の上にかけて食べてあげるのもよいでしょう。
※自家製の麺つゆに、レモン果汁や酢などを加えて、ポン酢の代りにかけるのもおすすめです。
※野菜は冷蔵庫にある他の野菜を代用しても大丈夫です。
③鯖缶で冷や汁ごはん
冷ごはんを食べるのが苦手という人は、冷や汁にすると美味しく食べることができますよ。ガスを使いたくない時に、ガス要らずで作ることができる冷や汁を取り入れてみるのもおすすめです。
鯖缶は、水煮でも味噌煮でも醬油味でも、どれでも大丈夫です。お好きな味で作ってみて下さいね。味噌煮や醬油味の時には、水に溶かす味噌の量を調節してみて下さいね。
1.木綿豆腐を小さくちぎって水切りしておく。きゅうりは、薄い輪切りにして、塩もみをしてから、水気をしっかりと切っておく。乾燥わかめは、水に戻して水気を切っておく。みょうがと大葉も千切りにしておく。ごまは、すり鉢ですっておく。生姜はすりおろしておく。
2.ボウルに水(カップ1)に味噌(大さじ2)を入れて、溶く。
3.鯖缶の汁をボウルに入れて、身は食べやすいようにほぐしてから入れる。ボウルに木綿豆腐ときゅうり、わかめ、すりごま、おろししょうがを入れてよくかき混ぜ、冷蔵庫で冷やす。
4.ごはんの上に冷やした冷や汁をかけて、みょうがと大葉をトッピングしたらできあがり。
※冷や汁は、鍋で温めて温かいバージョンで食べるのもおすすめです。
太りにくい体質作りで、夏を満喫しよう
食欲の減る夏ですが、食べないで体重が減少するのは、決して健康的ではありません。バランスのよい食事を取り入れながら、健康的で太りにくい体質作りを習慣化してみてはどうでしょうか?夏目前の今から、ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。